元々かなり鱧は好きで、関西系の雑誌で”鱧を産地で食べる”ってな記事を読むたびに行きたいなぁと思ってました。
数年前から淡路島で鱧を食べたいと思ってたんですがなかなか実現してませんでした。
その間にはちょいと先の徳島の鳴門でムチャクチャコストパフォーマンスのええ鱧会席を食べたこともありました。
そっちは文句の付けようのない値段でしたが、ホテルやったんで私の望む理想のシチュエーションではなかったんです。
やっぱり海近くの民宿なんぞで豪快に食べてみたいなぁと。
そんな私の希望を知ってる嫁さんが、ズルをしやがったんです。
職場の慰安旅行で自分だけ淡路島で鱧を堪能しよったんですわ。
帰るなり「ハモ、めっちゃ美味しかったでぇ〜」なんて言うから、
「ズルイ、ずるい。自分だけズッコ過ぎやぁ〜」と抗議。
そんな私に対して、嫁さんからあっさりと返ってきた言葉は
「よっしゃ、ほんならアタシの誕生日にもっぺん行こ」
ひと夏に2回もハモ尽くしかいとは思いましたが、私も食べたかったので了解。
帰ってすぐに同じ宿に予約をしてこの前の週末を迎えたわけです。
向かった沼島は淡路島の南端に近いとこにある小さな島。
土生港というところから渡りましたが、すぐ目の前に浮かんでました。
島にある旅館で食べるってだけで、美味しさが何割かアップする気しません?
土生港から沼島への渡し船は1日10便。昼間で1.5〜2時間に1本程度です。
意外としっかりした船でした。
この日は風が強く少し波が立ってましたが、バンバン飛ばす感じ。
私はもっとのんびりした船で、ゆっくり行くのかと思ってました。
乗客は完全に船室内に入る形で、風に当たりながらというわけに行かんのがちょっと残念でした。
沼島に渡ったら、宿から迎えもしてもらえるんですが、行ったばかりの嫁さんの案内でポテポテと歩いて宿へ。
歩いても5分ほどなんで車で迎えに来てもらわんでも全く問題なかったですわ。
港のすぐそばにある万屋さんで缶ビールを一本ずつ買うて、ゆっくり飲みながら向かいました。(^^)
今回泊まった「木村屋」ってとこが島で唯一の旅館でした。
他に食事処が2軒あるようでしたが、どこも鱧がウリのようです。
ちなみに嫁さんは前回の職場の旅行では木村屋で昼ご飯だけを食べたそうです。
珍しくクーラーの涼しさを楽しみながら、部屋でゴロゴロ。
途中でちょいとだけ散歩したら、ハラも減ってええ感じに。
タイミングを計って風呂にも入ってワクワクしながら夕食タイム。
すぐ向かいの部屋に料理を用意してくれて、そっちに移動していよいよ鱧の暴れ食いです。
まずは、こぢんまりしたお造りの盛り合わせからご紹介。
チビ伊勢エビに、シマアジ、焼き鱧、イカ。
久々の伊勢エビは美味かったですわ。
お造りより殻からええダシが出そうでそっちが気になりました。
私は最初にビールを一口飲んだら、さっそく燗のお酒をやり始めました。
鱧をしっかり食べるんやからやっぱり日本酒が欲しいですモン。
さて、いよいよ鱧たちの紹介に取りかかりましょう。
・鱧ちり
・鱧の薄造り
・鱧の天ぷら
・鱧の押し寿司
鱧の落としは、当たり前ですが、鱧を生のまま薄造りにするのは珍しいと思います。
造りの盛り合わせにあった焼き霜もたまに見ますが、こんなのは初めかと。
どうやってるのか分かりませんが、皮の近くにかすかにカリっとした骨を感じますがちゃんと骨を気にせずに食べられました。
鱧の天ぷらはちゃんと揚げたてを運んでくれました。
かなり大振りのモノを一切れだけドンと出すあたり、飾らない島の宿って感じですね。
熱々の天ぷらには塩が振ってあり、冷めないうちに頂くと美味かったです。
鱧の照り焼きが乗った押し寿司は食事の後半に出てきました。これもお馴染みの料理ですね。
ハモの一品料理も良かったですが、この宿のウリはやっぱり「ハモすき」。
宿の玄関のすぐ横に水槽があって、そこでハモがぎょうさん泳いでました。
そいつが惜しげもなく盛られた大皿。
一人7〜800gのハモを使こうてると仲居さんが言うてはりました。
部屋にあったこの宿が紹介された本によると宿の大将は年間2000匹のハモをさばくとか。
こいつを薄口で味付けされた、やや甘くて辛めのダシに皮目から入れます。
そのまま少し炊いたら身の側にひっくり返してほとんどすぐに出来上がり。
少し前に食べたばかりの嫁さんが「こっちの鍋をしっかり食べな、余らすでぇ〜」と言うてました。
しっかり食べましたがやっぱり食べきらず1/3は余ってしまいました。
途中で仲居さんが明日の朝ご飯の味噌汁にしましょうか?って言うてくれたので悪くならんように終盤で先に下げて貰いました。
中骨やら頭も食べられるってことで、アラ好きの私はかなり一生懸命食べましたが、さすがに骨切りが必要な魚ですね。
小骨が多くて中骨は食べにくかったですわ。
野菜を口直し程度に食べながら、しっかりとハモを頂きました。
そうそう野菜のメインがタマネギだったのは淡路島らしいですね。
ハモからええダシがでて、そこで炊かれたタマネギは甘さと美味さでごっつ良かったですわ。
これはサービスやったんでしょうか。
私には今年の初物ですが、鍋の途中で松茸まで出てきました。
そんなに香りは強くなかったけど美味しく頂きました。
野菜の皿には素麺もあって、後半のええダシで食べるとこれまたバッチグー。
ただ、ダシが食べてる時に感じた以上に(塩分が)濃かったようで、夜中に喉が渇いて困りましたけどね。
ほんで、ハモの皿の左側、真ん中にあったのがハモの卵。
これは最後まで置いといて下さいと言われてました。
最後に全ての具やアラを引き上げて作ってくれはったのが、こんな締めモノ。
ハモの子の卵とじをご飯の上に。
しっかり煮詰まった鍋のダシで作ってヤツをご飯の上に。
もうお腹いっぱいやったのに、食べてしまいました。
普段、食べ過ぎないようにしてるんですが、この日はホンマに満腹まで食べてしまいました。
頑張って食べてもちょっと余らせてしまいましたが、これでもかってくらいにハモを頂きました。
次の日は、メシの時間に合わせて風呂をシバいて、朝っぱらから食べる気満々。
オカズがやたらと多い朝ご飯でした。
焼き魚なんかが冷たかったのは残念ですが、まあしゃあないですね。
前日のハモは、味噌汁の具と照り焼きになったようでした。
余らなかったらこの2品はなかったんですかね。なかってもじゅーぶんのオカズでしたけどね。
食欲もしっかりあったし、オカズたっぷりやったんで、ご飯を小ぶりのお茶碗に3杯も食べました。
家のお茶碗で2杯分ほどですが、朝イチから満腹でした。
この鱧づくしの宿泊セットは、一人18000円。
酒代が約4500円で全部で42504円でした。
長いこと食べたかった場所で、食べたかったモンが食べられて満足でした。
<参考>
・料理旅館「木村屋」:公式サイト
住所:兵庫県南あわじ市沼島899
電話:0799−57−0010
鱧料理の期間は5月から9月中旬です。
木村屋のサイト内に沼島汽船の時刻表があります。
便数が少ないので行かれ方はチェックしとくといいかもしれません。
<おまけ>
朝メシにかなりガッツリ食べたというのに、帰り道の神戸でちょいと寄り道。
12時過ぎに、またしてもガッツリ食べてしまいました。
神戸の兵庫区にある「讃松庵」のうどんです。
以前食べて、気に入ったので嫁さんも連れて行ってやりました。
前回食べたぶっかけうどんは、椎茸とダシの甘さでやや麺にはマイナスに感じました。
そこで今回は醤油うどんと思ってたんですが、嫁さんがザルうどんを希望。
私は前回ぶっかけを食べながら、ぜひ嫁さんと来たら食べようと思ってたカレーうどんを。
両方とも交代で食べるから、誰の注文ってのはないんですけどね。
ぶっかけの時は、器のためにあまり多く見えなかったんですが、今回は迫力ありましたねぇ。
ザルうどんは麺が、どんだけあるんや?ってくらいの激しい盛りやし、カレーうどんは洗面器みたいなトコになみなみと。
ザルはつけダシがやや甘めでした。次はぜひ醤油うどんにしてみたいです。
太めでしっかりした腰のうどんということで、カレーうどんにかなり期待していました。
本場の香川でもよくそう思うんですがうどん巡りの時は、少しでもハラの負担を減らすためにカレーは我慢してます。
讃松庵一軒やったらカレーもありということで、初体験。
メニュー名は「地鶏カレーうどん」だったかと思いますが、わざわざ”地鶏”というだけあってしっかりした歯応えでええ鶏でした。
カレー自体も非常にレベル高くてコクのあるタイプでした。
ただ、レベル高いものの、やや私の好みとはズレてました。
私はダシの香りたっぷりでサラッとしたカレーうどんが好きなんですよねぇ・・・。
甘みがあってコクのしっかりあるヤツは好みではなかったのが残念。
嫁さんはその手のカレーうどんもアリなんで、かなり喜んでました。
これで2人で1200円台やったかと。すごいまでのコストパフォーマンスの良さでした。
嫁さんもしっかり食べて大満足してました。
ただ、個人的には前回食べたときの方が、コシがしっかりしてて表面ももっとスキッとしてた気がしました。
ビシッとした讃岐系から、ややもっちりの大阪系に近づいたような印象でした。
昼ご飯の時間帯で、茹で置きせざるをえず、その回転の最後の方にあたったりしたのかもしれませんけどね。
とはいえ、神戸の方を通る時に営業時間ならまた来たいなぁということで嫁さんと合意しました。
次は醤油うどん(もちろん冷や)と温いかけ系のうどんを行ってみたいものです。
この日は夕方まで嫁さんの現場に付き合って、家に帰ってからDVD鑑賞。
嫁さんが誕生日に欲しいと行ってた「バクダットカフェ」のDVDを見ました。
今年はな〜んにもネタが浮かばず、私からのプレゼントはこれだけ。
まあ2人で仲良うしっかりと飲み食いしたからヨシとしといて貰いましょう・・・。