古いネタで書いておきたいヤツだけでもいくつも溜まってますが、昨日の宴会ネタを。
うちでは割とお客さんを呼んで宴会をやります。
でもお客さんって言うても、たいがいはツレか年下でたまに幾つか年の違う先輩が加わる程度。
家族以外でほとんど目上の人に料理したことがありません。
嫁さんの職場の「後輩」がつき合いのある女性の大学教授をお招きすることに。
*嫁さんも遭うたことのない方をなんでご招待するのかかなり謎でしたが・・・。
目上の方ってんで、かなり気合いが入ってました。
献立はずっと前から悩んでて、ギリギリまで変更を加えてました。
でも気合いって、入れすぎると空回りしたり、大事なことを見落としたりするんですよねぇ・・・。
今回は珍しく料理の作り方なんかだけも分量があると思うんでマクラはこの辺で。
さっそく料理を見て貰います。
まずは、お客さんが到着次第食べて貰えるモンを用意しときました。
沖縄料理のスーチカー(塩豚)です。
事前に盛り付けてもOKってことで。
スーチカーの作り方は、至ってシンプル。
三枚肉(豚バラ肉)に全体をくるむくらいドカッと塩をします。
今回はそれをキッチンペーパーで包んどきました。
これを仕込んだのは熊野に行く前日やから月曜日。
木曜日に、塩を洗い流してお湯で茹でました。
1時間弱ずつお湯を換えながら、2回茹でました。
*2回とも水から茹でたんですが、これは正かったんですかねぇ。
茹でたヤツの荒熱を取って、冷蔵庫で一晩。
昨日の宴会の少し前にスライス。冷やしといた方が固くなって切りやすいです。
盛り付けたら室温で脂身を柔らかくするためにラップだけしてテーブルに放置。
食べる時は好みでレモンを搾って貰いました。
蒸し鶏と水菜のヤンニョンジャン味
蒸し鶏は前日に
いつもの作り方で作りました。
蒸し鶏は最初、電子レンジ作ろうかと思ったんですが、どうせなら手抜きなしで行こうと結局いつものように。
前日に仕込んだから別にれんじで作るのとあんまり手間の違いはないんですけどね。
こいつはビニール袋に少量のスープと一緒に入れて一晩寝かしました。
*残りの茹で汁は別の料理で使用
今回はアッサリさせるためにムネ肉を使いました。
味の絡みがええように繊維に沿って手でほぐしておき、盛りつけの時に水菜と和えました。
タレは、ヤンニョンジャンに少量の水を加えて、醤油とオイスターソースを足してます。
あんまり粘りがあると掛けにくいんで、ネバリを見ながら水も少し加えました。
最後に塩を少々足して味を決めてやりました。
ビールで乾杯をしたら、上の2品をつまんで貰いながらあったかいモンを用意。
今回は秋を意識して温いモンを多めにしました。
すじ肉の煮込みだけやと寂しいので糸コンも。
味付けに悩んでたら結局炊き合わせに。
すじ肉は実家の近所の「イサミ」まで前日に買い出し。牛肉は自分が信用出来る店で買いたいモンで。
*そこがモノがええ割りに比較的に「安い」ってのも理由ですが。
こいつも仕込みは前日から。
まずは白ネギの青いトコと生姜を加えて、水から30分ほど下茹で。
ザルに上げてアクをお湯で1つ1つ洗い流してみました。
そこから、たっぷりのネギとショウガで再度煮込み。
こんどは肉が軟らかくなるまでとろ火でええんと煮込みました。
時間は計ってませんが、6時間以上は煮込んだかと。
煮上がったのを食べやすい大きさにカットして、2番だしで味付け。
1番ダシは昆布とカツオ節だけで引いたんですが、2番の時にはカツオ以外の「節(フシ)」も加えてみました。
まだまだダシを引くようになって経験が浅いんで、毎回おっかなビックリやってます。
今回は他のフシを入れたほうが、スジに負けんかなぁと思ったからです。
味付けはやや甘みを出すもんの、できるだけ上品な味を心がけました。
結び糸コンは当日の朝にお湯で下茹でして石灰臭さを取ってから味付け。
スジは既に箸で切れるくらい柔らかくて、これ以上炊くと煮崩れかねんかったんで別鍋で。
どうせだからと味付けは本体のスジより甘みを控え、味が付きにくいと思ったんでやや塩をキツメに。
ただこの1品だけで鍋を2個使うことになり、置いとくのも、温めるのも場所を取って大変でした。
盛り付けた時のダシは、スジの方のヤツを使いました。
糸唐辛子を添えたらちょいと格が上がった気になりました。
続いて更に温いものをもう一品。
今回の宴会で一番気合いを入れて作ったのが、この料理でしょうか。
私は、料理の本を実際の料理を始める前にイメージ作りに見ることはあっても、台所に立つとほとんど見ません。
でも今回は作ってる途中でなんべんも本を見ながら作りました。
頑張った割に地味ですが「ふろふき大根」です。
うちのブログを定期的に見てくれる方は、覚えてはるかもしれませんがジョートーなヤツに挑戦したのはこれが2度目です。
ふろふき大根の作り方は、
コチラの記事にかなり詳しく書いています。
そのうちで、下茹での時に米のとぎ汁が用意出来ませんでした。
そこで料理の本に従って、生のお米1/2を加えて炊きました。
この後、前回はなんも考えず当日にやったんで省略した工程を踏みました。
水に入れて一晩晒せってヤツに従ったんです。
そのために前日からやったわけです。
この後、本煮込みに入ったんですが、今回はちゃんと引いた一番出汁を使いました。
ダシをはって、その上に何枚かの昆布を乗せて、落としぶたをして2時間ほど弱火で煮ました。
ただ、ダシを張った時から気になったんですが大根にえらく色が付いてしまいました。
前回の宴会では真っ白やったんですが、黄色くなってしまいました。
私のダシの引き方がマズイんかなぁと思いますが、かなり黄色かったんですよねぇ。
割烹なんかじゃ全く色のない透明なお吸いモンもありますよね。
ダシについては、まだまだ分からんことだらけですわ。
料理の本には「昆布の旨みを大根にしみ込ませること」って書いてありましたが、臭くならんか心配でした。
一応、お客さんはみんなうまいって言うてくれたんですが・・・。
上にかける田楽ミソまでは手が回らんので市販のヤツを使いました。
ここまでは、お客さんが来てから盛り付けて出しただけ。
こっからは事前に用意出来んモンの料理を開始。
まずはちょいとした酒のツマミ系を。
ホンマはとんぶりを使いたかったんですが、スーパーになかったです。
スーパーの人に聞くと、どうもヤツはこの時期出回らんみたいです。
そんなわけで買い出しに行って急遽メニューを変更しました。
うちでは定番の「アジのなめろう」です。
定番過ぎて使いたくなかったんですが・・・。
今回来てくれたゲストはうちでは食べたことなかったんでアリかと。
なめろうの作り方も簡単に書いときましょうか。
ネギと大葉をみじん切りにしておく。
生姜はすりおろしておく。
刺身で食べるくらいに切った鯵に上の薬味を載せて、適当な量の味噌を加える。
味噌を全体に行き渡らせるつもりで、包丁で叩いていく。
私はいつも醤油を少し加えます。
好みでしょうが私はある程度アジの身が塊として残ってる程度で叩くのを止めます。
完全にペースト状にするより好みなモンで。
コレを出したら揚げモンに。
以前は豆腐と鮭の揚げモンって呼び方で名前はない料理やと思ってました。
でも今回のは「がんも」って呼んでもええと思います。
ひろうす、がんも、飛竜頭、みんな同じもんやと思ってますが、ええんですかね?
今回、自分の中で呼び方を変えようと思ったのは、がんもの作り方で少し手を加えたからです。
まず、木綿豆腐を水切り。
私は豆腐をキッチンペーパーで来るんで数分電子レンジでチンしてます。
前はそいつそのまま手で潰してました。
それやと出来上がりがかなりいびつで、まったくがんもとは思えんかったんです。
それを今回は、手で潰さず、裏漉ししました。
ところで、前日に前から買おうと思ってた裏漉し器を買うたんです。
次の日に使うために洗って乾かしてました。
すると、それを見かけた嫁さんが
「へぇ〜、うちの家に裏漉し器あったんや」って。
うちの嫁は、アホですか?
結婚して8年も経つのに、なんで今ごろ「あった」モンが出てくるんでしょ。
フツー買うたと思うんちゃいますか?
テレビなんかで和食の職人さんが木べらで裏漉しをかけるの見て憧れてたんですよねぇ。
裏漉しするだけで、ぐっと旨いモンが出来るんちゃうかなぁと思ったりしてました。
ただ実際に裏漉しするようなモンを自分で作ったことなかったんで、買うのは躊躇してました。
ここ1ヶ月ほどでとりあえず買うて使い道を考えようって思ってたんですが、この日の料理をやるとなってついに買うた訳です。
料理の話に戻りましょう。
裏漉しした豆腐に、シーチキンと竹の子、キクラゲ、青ネギ、紅ショウガを加えました。
つなぎにと玉子と少量の片栗粉。味付けはほんだし、塩、醤油。
今回、一番だしを2回、2番だしを1回引いたんですが、ここではあんまり水っぽくなって欲しくなくてほんだしを使用。
お客さんが来るまでにしっかり混ぜて、あとは揚げるだけの状態にしてありました。
実際に揚げる時に、裏漉しの成果を実感。
普通にしてもかなりキレイに丸まって、見た目もちゃんとした「がんも」になりました。
ええ感じで仕上がったんですが、揚げては出し、揚げては出しとバタ付いてて写真は撮れませんでした。(T_T)
この後、〆の2品があることを告げて、みなさんの腹具合を確認。
もう一品用意あるけど、どうしようかと聞くと食べたいのとご要望。
そこでこの日唯一、技術のいる料理を。
手間ヒマは掛かってますが、どれもあんまりウデのいらんヤツやからいっちょ「見せびらかし」ネタもいるかなぁと。
見せびらかしは、まあヤラシイっちゃー、やらしいんでみんなの腹が大きければパスするつもりでした。
多すぎたら〆を味見ていどにしてもらうことにして作りました。
こういうところで、失敗するとネタ的にはオモロイんですよねぇ。
みなさんのそういう期待には極力応えるように心がけております。
「ぜんぶ成功でした」、「どれも旨かったです」では大阪人としちょっとねぇ。
この記事のタイトルでも謳ってますし・・・・。
では出来上がりをご覧下さい。
スンマセン引っ張りましたが「完璧」でした。
外はしっかり、中はトロットロでした。
オムレツを作る頻度が落ちて、以前より出来上がりにブレがありますが今回のは完璧です。
「やらしぃヤツやのー、なにが完璧じゃ!!」って言われそうですが・・・。
なんでも完璧やと思ったら、あとは落ちるだけってなことも言いますが、今回のは我ながら満足出来る仕上がりやったんで、まけといてくださいね。
全体が和風系やったんで中身にはゴボウのキンピラを刻んで入れました。
ゴボウと人参は業務スーパーの冷凍を使いました。
この料理も最後の最後で追加したんですが、ちょいとした手抜きはお許しを。
ただし味付けは真面目にやりましたし、ほんだしやなくて残しておいた2番ダシを使ってますよ。
ごく普通の長さのキンピラやとオムレツを切り分けにくいかと思って細かく刻んでから入れました。
こいつもみんなさんに気に入って貰えたようで、すぐ無くなりました。
この日の〆はご飯モノ。でもこいつもバタ付いてたら写真は撮り忘れました。
ご飯を1番ダシでごくアッサリ炊いて、炊きあがりに鮭の身を加えました。
鮭は甘塩のヤツをあらかじめ網焼きにして、手でほぐしておきました。
皮は再度網でカリッと焼いて香ばしさを出してからみじん切りに。
生姜の千切りと共にご飯に混ぜ込んでしばらく置き、最後に三つ葉を混ぜ込みました。
鮭の塩加減と、ごく薄めに味付けしたご飯がええかげんでなかなか旨かったです。
これに添えた大根の漬けモンには、ふろふき大根で面取りしたヤツも加えました。
鮭ご飯と一緒に食べもらったスープです。
鶏の手羽元と春雨のスープです。キクラゲとベビーコーンは彩りです。
こいつも仕込みのスタートは前日。
まず蒸し鶏を作ってから、茹で汁をキレイに濾してやりました。
その汁も加えて手羽元20本ほどをじっくり時間を掛けて煮込みました。
2日で8時間ていど煮込んだでしょうか。
蒸し鶏を作る時に、生姜、ネギ、ニンニク、日本酒を入れてましたが全体から見れば僅か。
ほとんど香辛料も使わず、味付けは塩のみ。
手羽元からでるええスープを味わって貰うのを狙いました。
ほんまは手羽も添えず、具も入れずただただスープだけを出そうかと思ってました。
そこまでやるとマニアック過ぎる気がして、一応お飾りていどに具を。
煮込みは別の鍋でやってましたが、出す時には土鍋に手羽を放射状に並べて宴会っぽくしてみました。
参鶏湯のスープみたいな雰囲気でかなり旨かったですわ。
この日来られた目上の方は、関東のご出身。
関西に来るまでは、大阪弁を聞くだけでも気分が悪かったそうです。
ところが来てみると大阪人のお節介さとか濃さにはまりはったそうで、えらく大阪を気に入ってくれてはりました。
この方は、お客さまとして、ごっつぅレベルが高い方でした。
料理のほめ方が旨いんですよねぇ。料理をうまいって言うだけでなく、器まで見てくれはるんです。
ただなんでもかんでもうまいって言うんやなくてから料理する人間を喜ばすツボを突いた台詞なんです。
そんな気に入ってくれたんやったら、また来て下さいよって言いたくなるええ気分にしてくれはりました。
この方に褒めて貰ってて、自分も他人の料理を食べる時には見習うわんとあかんなぁと思いましたね。
プロの料理ももちろんですが、知り合いにお呼ばれした時に気ぃつけんようと勉強になりました。
料理のあとは、台所から畳みの宴会部屋へ移動。
ほんまは畳の部屋で最初からやれたら良かったんですが、品数やら酒を考えて断念。
2次会?で使いました。
7時から始まった宴会が最終的に終わったのは11時頃でしょうか。
目上の方だけでなく、嫁さんの職場の後輩の人らもそれなりには楽しんでくれたと思います。
時間を掛けるだけの料理が多かったんですが、立ち仕事が長時間になりコシに来たりで、だいぶ疲れました。
自分なりに満足したので今日はゆっくり過ごそうと思います。
「コラッ!! ”失敗”はどうなってん!!」これで終わると「失敗を楽しみにここまで読んだやぞ」って言われそうですね。
料理の方は、けっこうええ線行ったと思うんですわ。
頑張り甲斐あったし、お客さんも予想以上にぎょうさん食べてくれたし。
なにが失敗やったかって言うと、非常に「個人的」なことなんです・・・。
上の記事は宴会の流れのままに書いたんですが、私の役で台所に立つのをご想像下さい。
盛りつけでも温かいモンの時は、イチイチ器を温めたりしてると手間なんです。
その合間ではお酒も勧めなアカンし。
各料理の評価で若干、書き方が違ったんでお気づきになりました?
私は今回の料理のうち、宴会の席では食べてないモンが多いんです。
ふろふき大根、すじ肉は全く食べず。スーチカーは食事のあと何枚か。
がんもは揚げながら立ち食い。オムレツも冷たくなったヤツを立ち食い。
失敗ってのは、あまりにもその場で出さんとアカンモンが多かったってトコなんです。
狭い台所やから会話に加わってましたが、落ち着いてテーブルには座れませんでした。
鍋の使い回し、段取りの段階からの料理の順序、全体の料理の内容なんかはけっこうええ感じしたが、自分の参加だけがポコッと抜けてました。
私のお客の時にこんなメニューやと料理を出すタイミングが間延びするか、せっかく来て貰ってもちゃんと喋られへん点で失敗やったと思いますわ。
ただ、料理好きとしては非常にやり甲斐があったんで大満足でした。
宴会を楽しんだっていうより、ええ仕事をやり遂げたって感じです。