2004年09月11日

食べられるか?待望の鱧料理

昨日は熊野から疲れ果てて家に帰り着きました。時間は8時前、腹は減ってるのか分からんようになるくらい減ってました。

どうせ外食するならといつも行ってる割烹”H”に行くことにしました。

Hでは、いつも大将が作ってくれる料理を正面からしっかり味わおうと思ってます。

疲れた体でしっかり食べ物を味わう元気があるかちょっと不安でしたが、最初にちょっと酒を入れりゃ元気もでるやろうと出かけました。

前回行ったのは、鹿児島から帰った8月の11日だったと思います。その時は久々に嫁さんと出かけたんですが、旅のネタを書いてる間にネタにする気が無くなってました。

まあそんなわけで約1ヶ月ぶりでしょうか。

今回、疲れてるのに無理してHまで行ったのには理由がありました。

この時期にしか出しはれへん鱧の料理があるからです。


出るかなと楽しみにしてお店に入り、生ビールが出たところで、壁に書かれた一品料理のお品書きを眺めてみました。

すると、そこには目当てのハモの料理が書かれてました。

おまかせにその料理が入るか尋ねようかと思いながら、グッと我慢。

まずは突き出しから。

糸コンとエノキにショウガを効かせて炊きこんだものでした。

続いて椀もの。


蓮餅(はすもち)の椀モノ椀ダネは、蓮餅(はすもち)でした。

上に青い柚子が載ってます。


お椀のフタを取ると、フワッと柚子の香りが立ち上がりました。

さあ食べようと思って、フト気になったので大将に聞いてみました。

この柚子はどうしたらいいのかと。

すると、大将はそれは絞らずそのまま食べて下さいとのことでした。

あくまでも上に乗って、ダシに使った部分から出る程度の風味を味わって欲しいとのことでした。

そのために敢えて絞りにくいように厚めに切って載せてるんですと。

聞いて良かったです。なんか妙に分厚かったんでふと気になったんですが、聞いてなかったら絞ってるとこでした。

で、大将が教えてくれたのは、

椀モノの種には、直接手を付けないのが決まり。

そして、椀モノの種の上に乗ってる風味付けの食材は”吸い口”と呼ぶ。

ダシを吸う時は、その吸い口に箸を添えて食べないように最後まで残す。

春の吸い口の代表、木の芽を最初に椀の外によけたり食べたりはしない。

その吸い口の風味を最後まで楽しむのが正しい食べ方やそうです。

最終的には、木の芽などは食べても問題ではないが、基本的には食べないそうです。

へーって感じでした。今まで意識したことがありませんでした。

最近のお客さんはあまり食べ方を聞かないが、どんどん店のモンに聞いたらええのにとも言うてはりました。

カウンター形式ならええんですが、個室やテーブルで仲居さんが運んでくるところは、へたすると聞いても知らない所がありますねえ、なんて言うと、大将は確かに最近はただ「運ぶ」だけの人も多いからなあと苦笑いしてはりました。

今回の椀モノですが、蓮餅は、レンコンをすって形にしてから揚げてありました。
落ち着いて食べるとレンコンの団子になんとも言えん野菜の甘みが感じられてええモンでした。

揚げた油の香りがまたよく合ってました。

この椀ダネは、レンコンのみで他の具材を一切入れないのがポイントだそうです。
ついついなんかを入れたくなるところを我慢して、素材とその調理だけで勝負する料理やそうです。

いろんな椀モノの中でもコイツは出来が0点か100点かしかない料理やそうです。
だから料理人としては非常に気合いを入れて作るモンやそうです。

この料理は、しゃべりながらとか料理に集中して食べなければ、スッと口に入ってなんの印象も残らんでしょうと言いはりました。

確かに、自分がだれかと来て、歓談しながら食べるのを想像するとなんか分からん間に食べ終わった気がします。



続いてのお刺身はウニと淡路島のヨコワでした。



そして焼き物がサンマの幽庵焼きでした。


その次がいよいよ、お待ちかねの料理が出るかどうかの一皿でした。


鱧と豆腐の焚き合わせ今回の煮物は、こんなんでした。

笹寿司の方は鯵でした。



さて、こいつは私の期待したモンでしょうか?











はい、こいつこそが1年ぶりに食べるお待ちかねの一品でした。


「鱧と豆腐の炊き合わせ」です。


スーパーに”走り”の時期以前に鱧の湯引きが並びだして以来、秋のこの料理を楽しみにしてました。

鱧と言えば、夏に食べる”落とし”を一番に浮かべますし、実際そっちも年に1回位はちゃんとしたヤツが食べたいと思ってます。

でも旨さでいうとこの”H”で食べる鱧と豆腐の炊き合わせは全く別モンとして楽しみにしてる料理です。

鱧がええダシを出して、そいつが豆腐にしっかり染みこんでるです。ちょっと甘みのあるダシをしっかり吸った豆腐を箸でちぎって口へ運ぶと、鱧自体より旨いくらいです。

コイツ一皿をちょっとずつつまめば、日本酒がどんどん進みます。優しい旨さがドライブに疲れた体に染みわたるようでした。

この料理は大将自身も好きだそうです。自分の賄いとして昼に店で食べることもあるそうです。

この料理は使うダシの引き方から違うんで、えらく手間が掛かるそうです。それもあって短期間しか出さないが、やっぱり自分の旨いと思うモンをお客さんに出したいから毎年作るんですと言うてはりました。

料理としたらただ、骨切りした鱧と豆腐が盛られて、チョイと火を入れたネギが添えられただけの至って地味なもんです。

以前一度スーパーで鱧を買って、そいつを煮物にして豆腐も入れてみましたが、全く食べられる料理にはなりませんでした。

板場の職人さんが”手間や”という料理が家庭でただ材料を煮込んだだけで出来る訳がないですね。まあ真似しようと思ったことが失礼なくらいですかね。(^_^;)

この一品のおかげでほぼ1合余計に日本酒を飲んでしまいました。


最後の料理は、ミンク鯨をフライパンでサッと焼いたタタキでした。

時期の限られた気に入ってる料理を食べられてご機嫌でした。





posted by えて吉 at 14:36| 大阪 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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