いつも行く「リカパー」という店は、けっこう珍しい酒を置いてはります。
しばらく前から、うちの酒棚にテキーラとラムの上等なヤツを一本くらいは揃えたいとおもってました。
トニックウォーターが切れそうだったんで、それを買いに行ったついでに店内を物色。
その店で、シングルバレルのラムがあることを知って、そいつにもかなり関心があります。
今回は、両方買おうかとだいぶ迷いました。
最後にはやっぱりどっちか1本にしておこうと、結論。
じゃあ、どっちにするかで悩んだ末に買ったのがコイツです。
38度、700ml 6279円
写真が見にくくてスイマセン
店の説明書きに、
「終売になったため、今後入荷未定の貴重なプレミアムテキーラ「チナーコ」です。
創業4代前は元メキシコ大統領を家系にもつテキーラ・ラ・ゴンザレーニャ社です。
100%アガヴェ使用。発酵中の砂糖添加や発酵後にも砂糖もしくはアルコールの添加をしていない、こだわりテキーラです。」
とあり、まず”終売”の言葉につられ、100%アガヴェ使用、砂糖やアルコールの添加なしなんちゅう「言葉」に惹かれました。
ボトルのガラスに泡が浮いてて手作りっぽさがあったのにも惹かれました。
普通のテキーラって2000円もしない安いイメージがありますが、6000円もしたんで3倍は軽く超える値段です。
酒を抜くことに決めてた金曜日は、試飲を我慢して、昨日飲んでみました。
まず、較べるためにごく普通のテキーラも用意。
家にあって常温だった「ホセ・クエルヴォ(Jose Cuervo)」にしました。
ショットグラスに両方を1/3程入れました。
普通のヤツをストレートで飲んでみます。はい、美味しくテキーラです。
飲み比べなんで、水を飲んで口を洗います。
続いて上等の「チナーコ・レポサド」の方を口に含みます。
たしかに違いました。味の分からん私でも分かる位にはっきりと違ってました。
ホセ・クエルヴォと較べると、味が濃厚で複雑さがありました。原料の風味がよく出てるって感じです。
チナーコは、竜舌蘭の一種であるアガヴェ100%ということなんで、私が感じた風味ってのはアガヴェのモンなんでしょう。
アガヴェ自体を囓ったことがある訳じゃないんで、なんとも言えませんが・・・。
今回は並べて飲み比べたんで私みたいに舌がええかげんなモンにも違いは分かりました。
じゃあ、一杯だけチナーコ・レポサドを出されてたら、どうでしょうか?
「はい、美味しくテキーラです。」って答えでしょう。
そう、普通のヤツを飲んだ時とまったく同じ感想です。
(実際、何行か上の一文をコピペしましたし・・・)
ブレンドのウイスキーなら、2000円のヤツと、6000円のヤツを較べたらたいていハッキリとした熟成の違いとかがあると思いますが、そこまであるかと言われると難しいですね。
*シングルモルトなんかは、上等やからと言って飲みやすい訳でもなく、ブランド毎で味がバラバラやから値段では私に違いは分かりません。
私の場合、テキーラって最近はマルガリータにして飲むことがほとんどです。
10年位前なら、ビールをチェイサーにストレートって飲り方も多かったんですが、最近じゃさっぱりご無沙汰です。
だから、余計に舌に味の基準が出来てないんでしょうね。飲み慣れてれば、「オッ、違うなあ」って思うかもしれません。
ということは、私は無駄に6000円も払ったということになるんでしょうか?
ところが、そんなことはないんです。今はかなりご機嫌です。
*書いてる今は朝なんで、酔うてるという意味ではないですよ。(^_^;)
なんでかというと、テキーラに詳しくもないんで、原料100%で、砂糖やアルコールを加えてないようなヤツにそうそうは出会えんと思うんです。
言ってみりゃ「ホンモン」な訳で、しかも飲み比べれば一応違いが感じられる。違いが分かるレベルなら私にゃ十分です。
普段は飲まんでも、興味あるお客といつでも飲み比べるネタが出来たんですし。
いつでもホンマの作り方のヤツも飲めるって思うことが嬉しいんです。
酒って舌で味わうのもええですが、それ以外のなんかでも楽しんでると思うんですが、そのなんかをえらく満たしてくれる一本なんでご機嫌なんです。
さて、今回初めて上等なテキーラを買ったんで、復習も兼ねてテキーラのことを調べてみました。
ちょこっとメモ代わりに書いておきますんで、ご興味のある方はどうぞ。
・テキーラとはメキシコで飲まれる竜舌蘭で作った蒸留酒の1種。
酒の種類としては、似たような蒸留酒を総称して、「メスカル」と呼ぶ。
・メスカルを作る前の醸造酒は「プルケ」と呼ばれる
・テキーラと呼べるのは、竜舌蘭(りゅうぜつらん)の一種である
アカベ・アスール・テキラーナのみを51%以上を使用した発酵酒を
蒸留したものでハリスコ州、ミチョアカン州、ナヤリット州の一部で
生産されたヤツだけ。
*逆に言うと49%は、アルコールなどを混ぜられる
・ちなみに、テキーラと名乗れる地区以外の、サカテカス、ドゥランゴ、
サン・ルイ・ポトシ各州でテキーラと全く同じ原料、製法で生産
されるとピノス(Pinos)という。
要するに、ブランデーに例えると
テキーラ=コニャック(産地・製法指定あり)
メスカル=ブランデー(総称)
ピノス=アルマニャック(テキーラじゃないけど、産地・製法指定あり)
プルケ=ワイン(醸造酒)
大雑把にこんな感じやと思います。
*アルマニャックをピノスに例えるのが適当かは、ちょっと微妙ですが。
・蒸留したテキーラを熟成させないのがホワイト・テキーラ。
樽熟成させたものをゴールド・テキーラ、あるいは
テキーラ・レポサド(短期)またはテキーラ・アネホ(長期)という。
・「チナーコ」について
メキシコ、ハリスコ地方のタマウリバス州アルダマ町にある小規模醸造業者が造る
テキーラ。1970年代、この地で農場を経営していたジレルモ・ゴンザレスが設立し
たラ・ゴンザレーナ蒸溜所産。
銘柄名のチナーコとは、1850年代”ラ・レフォルマ(大改革)”と呼ばれるメキシコ
の内乱において戦った闘志の事。大手テキーラ・メーカーに戦いを挑むという意図
が込められているという。
この銘柄が始めてアメリカ合衆国に登場したのは1983年の事。スーパープレミアム
クラスのテキーラとして直ちに名声を博したが、1980年代終盤にラ・ゴンザレーナ
蒸溜所が閉鎖されてからは一時期・幻のテキーラとなった。しかし、創業者の4人
の息子達が限定生産ベースで操業を再開。ファイン・コニャックに並び称される逸
品を、テキーラ・コニサー(鑑定家)達に向けて出荷している。
チナーコは、8年から12年間生育したブルーアガベ100%のテキーラ。発酵時
に補糖を行わず、アガベがもつ糖分のみを利用している。レポサドは、185リッ
トル入りの樽(バレル)に6ヶ月〜1年間熟成させてから瓶詰めされる。ピーチや
アップル、マルメロの香り。スパイスやフルーツのキャラクターを伴った、フレッ
シュでクリーンな風味が楽しめる。