チケット押さえる時に、那覇の宿泊が着いてるパックにしたのもここに行くのが目的。
夕方からしかお店がやってないんで、飲兵衛の私には那覇に泊まるしか行くチャンスがないお店でした。
どうやってこの店のことを知ったんでしょうねぇ。きっかけは忘れましたがここしばらくずっと行きたい店でした。
さとなおの「胃袋で感じた沖縄」って本でも取り上げられてます。
さとなおのサイトの「沖縄のおいしい店リスト」では、ただ1店10点満点の評価。
それ以外でも伝統的な琉球料理の記事なんかに山本彩香さんはよく登場してました。
前回那覇に1ヶ月ほど居た時には、店の前まで行ったことがありましたが、独りで贅沢なモノを食べる気になれず、お金もなかったんで断念。
本島よりそろそろ八重山に行きたいのに、ここに行ってないから本島を選ぼうと思うほどでした。
*いやー、すべてが飲み食いモン中心なもんで・・・。
ホテルで休憩し、風呂にも入ってサッパリし、体勢を整えて向かいました。
かなり地元の方にも人気があるのか、予約を取っておかないと厳しいようです。
私も旅行の日程が決まり次第、予約をしておきました。
お店に入るとテーブル席が3席ある部屋に案内されました。
時間をおいて入ってきた他の2組も観光客のようでした。
席に着くと、すでにテーブルにはグラス類がセットされていました。
飲み物は最初にビールを頼みました。
ビールを持ってきてくれた時に、グラスの向こう側にある青い器のフタが取られました。
そこに現れたのが、コチラ。
さとなおの本では、このお店の記事のほとんどが
この豆腐ようにまつわる内容。
豆腐ようって爪楊枝でちょっとずつ切り取って、じっくり泡盛と楽しむようですが、こういうコースでは前菜に当たるんでしょうか。
すかさず、泡盛をお願いしました。お店では、「太平」っていうブランドと「春雨」っていうのを置いてはりました。
「春雨」がオススメとのことでしたが、私も春雨がずっと欲しくてまだ手に入ってないんで当然そちらをチョイス。
たっぷり一合入ってるんでしょう、ズシッとした
重みがありました。
さて、まず肝心の「豆腐よう」なんですが、みなさんは試されたことあります?
今までなんどか試してるんですが、味がややキツかったり、仕込みに使う泡盛のアルコール分の刺激が勝ってたりが多かったです。
イメージとしては、安モンの練りウニを想像して貰えばええかと思います。
古酒は年数が経ったヤツならたいていハズレは少ないですが、そいつと食べても邪魔になりそうなモンもあって、あんまり好きではなかったです。
安い居酒屋や、土産モンで貰ったヤツしか食べてなかったんで仕方ないんでしょうね。
最近は自分から頼むことはありませんでした。
豆腐ようはかつて、自家製もあったそうですが、あまりにも手間がかかるからほとんどがメーカー品やそうです。
黒文字(くろもじ)で、ほんのちょっぴり切って口に運んでみるとそのまろやかさにビックリ。紅麹の色が付いてるようですが、豆腐かなんか分からんけど、自然な甘みと共に口の中に旨味が広がりました。
まだ豆腐ようの余韻がある間に、グラスからストレートの春雨を含むと旨さが倍増。
*ぜひここはグラスではなく、盃が欲しかったですねぇ。
コースのスタートですが、落ち着いた座敷にでも座って、豆腐ようが一切れあればそれだけでじっくり古酒が楽しめそうでした。
琉球料理の作法が分からないんで、豆腐ようは一気に食べずに料理と料理の合間に大事に食べてました。
ドタマからこんな美味いモンが出て、料理への期待が高まったところで料理が出始めました。
(左上から)
・ゴーヤーシリシリー
・ミヌダル、ゴーヤの揚げ物、田芋の揚げ物
・ゆし豆腐 アーサと梅肉乗せ
・ビラガラマチ
ゴーヤーシリシリーのシリシリーとは、すりすりという意味やそうです。
ゴーヤーをすりおろしたジュースです。苦みがある程度押さえられて飲みやすい味。
それにしても、「すりすり」って意味とは、なんか可愛い呼び方ですねぇ。
ミヌダルとは、蒸し物の一種で豚肉に黒ごまのタレをまぶして蒸し上げたモノ。
手元の琉球料理では薄切りで作ってますが、こちらでは角切り肉でした。
熱くはない料理でしたがゴマの香りが豚の旨味と一緒になってました。
味付けはごくごく薄めで、素材の風味がメイン。
下に敷かれたあしらいは、ヒバーチーの葉っぱでした。
ゴーヤの揚げ物は、ワタも種もそのまま食べてくださいと説明されました。
田芋の揚げモンは、下味を付けてるんでしょうか。ターンム(田芋)は何回かしか食べたことないんで分かりませんが、自然な甘みが良かったです。
塩は添えられてましたが、ゴーヤーにわずかにつけただけで、素材の味を楽しみました。
ゆし豆腐は、水分を切る前の豆腐ですが、島豆腐同様豆の味が濃かったです。
ヨソではもっとフワフワした食感が多いですが、こちらは割としっかりとしてました。
ビラガラマチとは、ヒラがネギ、マチが巻きの意味やと説明して貰いました。
巻いてあるのはイカの薫製です。
嫁さんと、ほんなら「ガラ」っちゅうのは、イカなんか?ってなことを言うてましたが、答えは聞きそびれました。
ここのお店のスタッフは若い女の子も、しっかり料理の説明が出来てなかなか好感が持てました。
中に一人だけビラガラマチを2回も持ってきたり、チョンボを繰り返してる子もいましたが、愛想があるから気にならず。(^_^)
そうそう、この日は嫁さんがあんまり飲めそうになく途中で水を頼みました。
水が有料なのは別にかまわんのですが、500mlのペットボトルで出たのはいかがなものかと。琉球宮廷料理って感じで、どれもこれも繊細な料理だけに、ペットボトルの無粋さが気になりました。
・ドゥルワカシー
・ゴーヤーの白和え
・ラフテー
・ソーメンタシヤー
・ジーマーミ豆腐
・豚飯(トゥンファン)
ドゥルワカシーとは、田芋とその茎(ずいき)を茹でて、ドロドロの状態になるまで煮つぶした料理です。
白いのはカステラカマボコだそうです。中には他にも小さく刻んだ豚肉が入ってるようでした。
温々の料理で、田芋の優しい甘みとダシの旨味があって味付けは薄いんですが美味かったですねぇ。
名前は聞いたことがあったんですが、初めて食べたと思いますが、かなり気に入りました。
コイツもチビチビ食べると酒がよう進む料理でした。どの料理も旨かったんですが一番の気に入ったかもしれません。
ゴーヤーの白和えは、ゴーヤーの苦みがかなり弱くて上品な仕上がりでした。
このお店のラフテーは、白味噌仕立て。ネットなんかでラフテーの作り方を調べると味噌のヤツも目にしてましたが、食べたのは始めて。
家で醤油系で作る時は、肉がホロッとなるまでかなり長時間煮ます。
でも、コチラのはしっかりと肉の歯ごたえが残る仕上げでした。
しっかりした固さがありますが、しつこさはなく、それでいて肉の旨さがしっかりあるってのが凄いなぁと思いました。
今回の旅の直前に買って沖縄に持って行った「笑う沖縄ごはん」(双葉社)にちょうど本土と沖縄の豚肉の違いが出ていました。
本土では生育期間が短いために肉が軟らかく、脂身がサッパリしてるのに対して、沖縄の豚は生育期間が長く赤身の旨味が増して肉質がしっかりしてる代わりに脂肪にややクセが出るって書いてました。
食文化に応じて同じ豚でも育て方が変わるってのは、面白いですね。
ソーメンタシヤーは、ソーメン炒めのことやと思います。
私のような県外の人間には「ソーメンチャンプルー」って名前の方が馴染みがあります。でも、用語法としては「チャンプルー」でなんでもかんでも呼ぶのは最近ことのようです。
言葉の乱れの一種なんでしょうか?
今回沖縄で買ってきた料理本には「ソーメンプットゥルー」とも出てますが、同じでしょうか。
上に乗ってるのは島ラッキョでした。
ジーマーミー豆腐とは、ジーマーミ=地豆=落花生(ピーナッツ)のお豆腐。
ジーマーミー豆腐は割と濃いイメージがありましたが、ここのはかなりアッサリしてました。
パッと食べても余りピーナッツを感じず、後口に落花生の風味を感じる程度でした。
豚飯(トゥンファン)とは、豚肉入りのクファジューシー(炊き込みご飯)に熱い豚とカツオのダシを掛けて食べる料理だそうです。
献立の最後に〆として出される料理とのこと。
この料理は聞くのも食べるのも初めてでしたが、豚が具にもダシにも使われてると聞くとしつこそうですが、非常にアッサリしてました。
上にかけられた島コショウの風味とでサッパリしてサラッとお腹に納まりました。
料理の後はデザートが2品。
・シークービー ・自家製のちんすこう
シークービーとは、タピオカに黒糖の蜜を掛けたモノで、生姜が効いててサッパリした美味しさ。
もう一品は、有名な沖縄のお菓子「ちんすこう」ですが、私は初めて美味しいと思いました。
元々お菓子はほとんど自分から口にしません。沖縄土産の定番のちんすこうもいかにもお土産ってなヤツしか知らんかったんです。
ここのは、ジョートーのクッキーを食べてるような旨味があって最後の最後にも驚きがありました。
どの料理もほんまに繊細な仕事をしてるって感じでした。
居酒屋や食堂の沖縄料理やったら、一回食べたら家でも食材さえあれば出来そうやって思うことがあります。
しかしコチラの料理はどれもれっきとした職人さんが作るプロの料理ばかり。
前回に一人で長期にわたって滞在した時は、自炊でほとんど外食はなし。
その前までの旅行では、出来る限り沖縄料理ばかり食べてました。
どれも美味しいし好きなんですが、3日目くらいになるとやや食べ飽きることがありました。
それは外食やとそうそう伝統的で落ち着いた琉球料理ではなく、戦後に生まれた沖縄料理になるからでしょうか。
古くから伝わるような料理は今まで本やネットで見たりするだけでしたが今回それが堪能できました。
チャンプルーのような庶民的(B級チック?)なものではないちゃんとした料理が食べられて幸せでした。
嫁さんもこの後の旅行中に、フトした拍子に
「(山本彩香の店は)美味しかったなぁ〜」としみじみした口調で繰り返してました。
お店のコースは、6000円、8000円、10000円とあって、今回は8000円のコースでした。
沖縄の相場から考えるとかなり高い気がしますが、大阪でおんなじ値段払って食べられるモンと較べてもムチャクチャコストパフォーマンスがええと思います。
お勘定はビール2本、春雨の古酒1合、水1本を入れて、19320円。
沖縄の飲み食い全てのなかで、ここはずば抜けて一番でした。
*琉球料理「山本彩香の店」
(「琉球料理乃 山本彩香」?)
・住所:沖縄県那覇市1−16−13
・電話:098−868−3456
・営業:17:00〜22:00(L.O)
・定休:水曜・日曜
・予約:要予約
行き方はよう、説明せんので住所と屋号だけチェックしてタクシーに乗るのがオススメです。なんせ、沖縄は初乗り450円と格安な上、ワンメーターでも全く問題ありませんし。
ゆいレールやったら、「旭橋」が最寄りでしょうか?その辺からタクに乗ってもええかと思います。
一応、ヤフー地図では、店の場所はコチラになります。
<備考>
沖縄旅行については、全体の目次があります。
他の記事に興味がある方は、コチラからどうぞ。


こういうお店の存在価値って、
私が正統な沖縄料理を作れない理由でもあります。
精魂込めないとできません。
昼も営業してくれるとうれしいのですが、
手間のかかる料理をたくさん作るのは難しいのでしょうね。
頑張って、夜に行ってみようかな。
「ぷっとぅるー」は、タシヤーをさらに炒めて、
ちょっとお団子上になるくらいまで「ぷるぷる」にしたもの、
ってイメージですかねー。
http://www.nurs.or.jp/~void/OkinawaDict/o-dic/food.dic
> おおー、やっぱり上等なお味だったのですね!
わざわざこのお店のために日程を組んだ甲斐がありました。
> 精魂込めないとできません。
確かに精魂込めたってのが分かるお料理ばかりでした。
> 手間のかかる料理をたくさん作るのは難しいのでしょうね。
ここの料理を食べると確かに物理的に厳しいかもしれませんね。
> 頑張って、夜に行ってみようかな。
nanameさんの感想が聞いてみたいです。
家庭の料理と違いがどの程度か気になりますねぇ。
>「ぷっとぅるー」は、タシヤーをさらに炒めて、
ちょっとお団子上になるくらいまで「ぷるぷる」にしたもの、
ってイメージですかねー。
そうなんですか。段階によって使い分けがあって面白いです。
今回買った安田ゆう子って人の本では一緒に見えたんですが、やっぱりそれぞれ違いがあるんですね。
にゆかれて那覇に移られたと聞きました。
料理もさることながら器もいいですね。豆腐ようの下り
なんとなく分かります。ロックフォールのいいやつの
絶品な感じでしょうか?
僕もほんとにB+程度の経験です。その意味ではやはり
辻でも「A1」指定のステーキハウスなんかしか行って
おりません(^^; 昔、祖母が作ってくれたような懐かしい味です、シチューなど。
田舎にも郷土料理の店はありますが、やはり沖縄は王国
宮廷料理の流れのようですね。
> ロックフォールのいいやつの絶品な感じでしょうか?
ロックフォールのいいヤツを知らないんで、なんとも言いにくいですが、
さとなおの本では、ワインとチーズのマリアージュに劣らない感動があるってな事書いてました。
このお店の宮廷系の料理が家庭の伝統料理とどう違うかは分かりませんが、ほんと感動しました。
一度食べてみても良いけれど高いし、
そんなに大した事ないと聞いていたので
行きませんでした。
行けば良かった。(T_T)
個人的にはすごく気に入りましたよ。
地元の家庭で伝統的なモノを食べるチャンスも
ないので、嬉しかったです。
私には高いお金払う価値がありましたよ。(^ ^)