2005年05月12日

小泉武夫著「不味い」を読了

たまには、飲み食い関連の本ネタを上げてみます。

このブログを読んでくれてはる人には、この小泉武夫って学者は有名なんでしょうか?

私は、日経新聞に時々(週一回?)連載されてる「食あれば楽あり」ってコーナーで知ってた程度です。

この人のことが好きなブロガーさんもいらっしゃるようですが、私はこの人が正直言って苦手でした。

なので、この小泉武夫の文章をちゃんと読むのはこの本が初めてでした。


小泉武夫の「不味い!「不味い」
作 者:小泉武夫
出版社:新潮社
価 格:1300円
サイズ:190×130mm、185ページ
ISBN :4-10-454802-2


この本は、先日散歩がてら天王寺まで出た時に買った本です。

買った日の寝る前に少し読んで、昨日、姪っ子のお守りをしてて、姪っ子がぐっすり寝てる間に読み上げてしまいました。


私がこの作者のことが苦手やったんは、日経の連載を読んだ限りの印象でした。

毎回なんか一品を取り上げるんですが、その旨さの描写がテンション200%っていうか、あまりにもオーバーなんです。

でも、どれもこれも全身が喜びで打ち震えるような旨さやと言われると、白けてしまいます。

それと小泉武夫節というか、多用されるカタカナ表記の独自な形容詞が、どうも肌に合わん感じでした。

エッセーものは好きで、飲み食い意外にも色々読むんですが、内容はともかくとして文章のタッチが合わんとどうしても引っかかってしまいます。

それでも、この人が選ぶモンがけっこうは庶民的やったりするんで、そこは好感が持てるんです。

それに造り酒屋に生まれて、醸造学や発酵学かなんかをやった人のようなんでその辺のグルメなヤツと違う雰囲気があって興味を惹かれるところがありました。

私の中では、諸手をあげて賞賛はせんけど、無視も出来ず、気になるヤツ(失礼)って位置づけでした。


ここ1年くらい本屋に行くたびに気になって背表紙を眺めたり、なんどか手に取ったりしてました。

特別好きな作家ではなく、しかも新聞ではやや文章のタッチが合わないんで定価で買うのは毎回躊躇してました。

ブックオフなんかに行くと毎回捜してたんですが、あの手のポリシーのない古本屋では一回も目にしたことがありませんでした。

今回ついに我慢出来なくなって、定価で買ってしまいました。

文庫本ではない本にしたら、1300円はまずまずの値段なんですけどね・・・。


今回のタイトルを選んだ理由は想像してもらえる思いますが、新聞の連載でウマイ、美味いの連続やから不味いもんがあるんか興味があったからです。

実際に読んでみた感想はというと、新聞だけで毛嫌いせんでよかったかなと。

ちゃんとした繊細な舌を持ってはって、ちゃんとこっちが納得出来るレベルで「マズイ」って言うてはります。

なんでもかんでもイチビって「美味い」を連呼してないってのが分かりました。

私なんかの安モンの舌とちごうて上等な舌を持ってはるから、味の素をかなり嫌ろてはるのが分かって納得。
 *本では、さすがに「味の素」と名指しはしてませんが・・・。
 
かなり細かく味わい分けて、それを表現出来るあたりも立派。

また東京農業大の教授だけあって、科学的に味のことを解説するあたりも文系人間には新鮮でした。

文句付ける時は、かなりシビアな口調なのも小気味良かったです。

ただ、文章では一人称に「俺」と使ってるのだけが、読んでてちょっとだけ癇に障りました。

まあ、それはあくまでもこっちの好みの問題で、読むのに苦痛な程ではなかったです。

内容的には、一部ゲテモノ食い的な項目もあって、そこは読んでるこっちまで気持ち悪くなるほどでした。
 *ゲテモノに興味あるかたは、以前に書いたコチラの記事をどうぞ。

今回買ったのとは別のヤツでは、ゲテモノ食いを集めたようなヤツも出してはりました。
専門分野の発酵や醸造がらみのフィールドワークの一種で旅してはるんかと想像はしましたが、かなりえげつないモンを食べてはるようです。

現代の食への批判的な項目と、ゲテモノ食いの項目が混在してるあたりは、どうかと思う人がいるかもしれませんが、私はなかなか楽しめました。

できたら古本で半額以下で手に入れるのが希望ですが、他の本も読んでみたくなりました。


現代の食への批判を書いてるらしい「食の堕落と日本人」なら内容もおもしろそうやし文庫があるようなんで、その辺から狙ってみますか。


詳しい方で、次にコレを読めってのがあればぜひコメントを下さい。

「小泉」作品の素人なもんで、代表作とか、オススメを教えて貰えると助かります。



<同日追加>

アマゾンの書評を見ると、「食の堕落と日本人」はイマイチっぽいですねぇ。

この本を読んだ人がいらっしゃったら、感想を聞かせて貰えると嬉しいです。

「不味い」の方は、アマゾンの書評でも評価が高いようですね。



posted by えて吉 at 23:16| 大阪 ☀| Comment(3) | TrackBack(0) | 飲み食い本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
私がたまに行く割烹居酒屋の若き料理人(20代)も、味の素が入ってると、「舌がしびれる」ってゆわはります。

錦市場ですごく人気のお漬物屋さん(名前は伏せておきます)のお漬物も舌がしびれるそうで、お漬物も自分で漬けてはります。
Posted by hanna at 2005年05月13日 13:27
hannaさんへ

和食の料理人さんやとやっぱり敏感にわかるでしょうね。

私の腐った舌やと王将のおまけスープくらい
濃くないとわかりませんねぇ。
 *ときどき、ホンマにスゴイのが出ますから

> 錦市場ですごく人気のお漬物屋さん

 なんぼ京都で人気があってもそんな商売を
 やる店は、残念ですね。
Posted by えて吉 at 2005年05月13日 13:34
小泉武夫さんてホントに味覚人飛行物体なんだろうか?
九州新幹線の中に置いてあるフリーペーパーに鹿児島市の「とんかつ丸一」について小泉さんが食した記事が掲載されていました。ベタ褒めでしたが、食べに行ってみてビックリ!  提灯記事もいいとこ! 何よりも客を迎える姿勢がなってない! この店主にはお客に楽しく食事をしてもらいたいなどという気持ちは全くないらしい!
このような店主に気持ちを込めた料理など出せる筈もない。 とんだ提灯記事だ!  小泉さんの書いた記事ををみる目が根底から変わった。
鹿児島市にはもっとはるかに美味しくお客を気持ちよく迎えて楽しい食事を提供してくれるお店はいっぱいあります。
鹿児島の恥みたいな店の提灯記事など小泉さんも恥を晒すようなものだ。 今後「味覚人飛行物体」など人前で言われない方がよろしいのでは。
Posted by ataru at 2011年07月02日 21:37
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