出かけたのが地元の御堂筋線の昭和町駅前に少し前からある割烹「久富(ひさとみ)」です。
店の中は、まだまだ新しさを感じさせる明るい雰囲気。まず”水の流れ”のように途中で一度カーブするカウンターがあって、奥には掘りごたつの座敷がひとつ。
カウンターは、今風というか、カウンター内との目隠しになる部分(なんて呼ぶんでしょう)が低めで店全体に開放感があります。内装に使われてるのがすべて薄い色の木目なんのでよけいに軽やかな感じの店です。
基本的にはコース料理だけのようでお品書きみたいなものはないとのこと。
コースは、3800円、5500円、7000円の3つ。鍋料理は要予約と店の前の値段表に書いてました。
初めての店なんで3800円の彩(いろどり)コースにしました。
出てきた料理は、次のとおり
山芋を寒天とゼラチンで寄せた豆腐風の突き出し
魚(名前は忘れました)のしんじょのお椀物
お造り
鶏肝、菜っ葉、枝豆、一口寿司などの盛り合わせ
米ナスの田楽
芋・タコ・南京の炊き合わせ
梅粥と香の物
豆乳プリン
出汁の具合がどうこうとかは、私には分かりませんので、その辺のコメントは控えます。ただ、食べてみてコストパフォーマンスは、非常によかったです。まっとうで落ち着いた和食を満喫しました。
御堂筋線の昭和町というあまり賑やかではない駅で、ちゃんとした和食が食べれるのはうれしいことです。




*お店の全体への感想
大将に聞いてみると、お店を開けてまだ1年ちょっととのこと。しきりに「まだまだ、これからです。」と繰り返してはりました。
確かに、”まだ”な所もいくつか感じました。
厨房は、親方と煮方、追い回し?の3人が担当。フロアに女性が一人でした。
カウンター内での作業は、手元までは見えませんが、席からほぼ雰囲気が感じられました。
なんか、全体の動きに硬さというか、不慣れな感じがあります。道具を扱う時にどこかしら手に付いてない?感じがあります。
実際、一番若い子が、目の前で梅肉の入ったタッパをこかしそうになったりもしてました。この子は、客との会話もまだ慣れてないようで、えらく緊張してました。
何かの盛り付けのときに、脇の子がメインでやってるんですが、指導する親方ときっと勉強したい下の子が両脇から覗き込んで、まるで子供が寄ってみんなで工作でもやってるようでした。
でも全体に嫌な感じはなかったんです。一生懸命にええ店にしようという大将が、そのために下のスタッフを指導しながらがんばってる感じが伝わってきました。
「がんばりやー」って声をかけたくなりました。
*常連になって旦那衆になれるチャンス
皆さんは、行きつけの落ち着いた割烹をお持ちですか?
人を連れて行くときに、ちょっと無理がきいたり、出てくる料理にちょいと注文をつけるような店。その代わりになんかの折にはお客が土産を持っていったりできるような店。
話で聞く、味が分かる常連の旦那衆って、そんなやないでしょうか?
*旦那って表現が女性差別だと思われる方は、パトロンと振り仮名でも
振ってくださいね。
単に銭にモノを言わせて、横柄に振舞うんじゃなくて、店を気に入って、その店やそこの職人を育てたろうというのこそが、ほんまの常連って気がします。
えて吉は、年を食ってもそんなカッコええ客にはなれそうもありませんが、あこがれはあります。
で、大阪の天王寺の南が、活動範囲に入る方に、この店を紹介しときます。
まだ開いて1年で、青いところのある割烹。これはええ出モノですよ。
旦那衆になりたくても、すでに古くからやってたり格式が高いと向こうから相手にしてもらえません。ミナミや北でぽっと開いた店なんか、常連を大事にする気がないのがほとんど。おまけに値段が高すぎたら、とてもじゃないけど顔を覚えてもらうほども通えません。
味のほうは、いっぺん自分の舌で味わって、育てるに値するか判断してもらうしかありませんが、ええと思いますよ。
なんか女衒か遣り手婆のような文章になってしまいました。(^_^;)
いやー、私に小遣いの余裕があれば、自分で旦那衆と言えんでも常連くらいにはなるんですが、主夫の身にそんな余裕もないんで、美味しいところを誰かに譲るって心境なんです。
割烹や会席料理屋って、緊張することもありますが、軽やかでええ感じに楽しめましたんで、旦那衆にデビュー予定のない方にもお勧めしときます。
*小ネタ”米(べい)ナス”の由来
嫁さんと米ナスの田楽を食べてて、なんで「米なす」と呼ぶんかと言う話になりました。嫁さんは、米→アメリカやと主張。こっちは、和食によく登場する食材なんで、そらないやろうって言うてました。
今朝、このネタを書きながら調べたら「アメリカ産だから」というのが答えでした。
あるサイトでの解説は次の通り
米ナスとは、アメリカ原産の大型のナス
米ナスはかなり大型のナスで、ヘタが鮮やかな緑色をしているのが特徴です。アメリカ原産だったことからついた名前が「米(べい)ナス」。果肉は絞まっていて、田楽によく用いられます。また、煮くずれしにくいので、煮ものにも使われます。
いやー、嫁さんに一本取られました。
ところで、「米朝」ってありますよね。
今、何のことを想像しました?
アメリカと朝鮮の関係ですか? 桂米朝ですか?
新聞を読んでて、私はよく、”米朝会談”を「なんで落語家が?」と思ってしまうんですが。これって、大阪人だけでしょうね。
このネタも米ナスのことをしゃべってて出てきました。
<お店について>
*割烹「四季菜 久富」
住所:〒545−0021
大阪市阿倍野区阪南町1−48−15
電話:06−6623−0511
定休:水曜日
行き方:御堂筋線の昭和町 4番出口を西へ3分。
阿倍野郵便局のならびにあります。
*お店の方へ
仕事着を、綺麗なモンに取り替えた方がええと思うんですが。
腰くらいまでが、カウンターに座ってると見えるんで、汚れが気になりました。
中華料理屋やったら、それも”ふんいき”で感じですが、
日本料理ではちょっと・・・。