2006年03月06日

安部司著「食品の裏側 みんな大好きな食品添加物」

うちのブログを何回か読んでくれてる方はご存じかと思いますが、私は基本的にマトモな食材を買うてません。

特売のモンメインでその日の献立を組み立てるんで、中国産やらアメリカ産の野菜を平気で使こうてます。

食材はそんな感じですし、調味料やら加工食品でも別に食品添加物”ゼロ”にこだわる気もありません。

飲む時は駄菓子類をつまみにするのが好きですし。

マクドは、自分が嫌いやから食わんだけで体に悪いからって訳ではないです。

せやから食品の危険性を右翼の街宣車のように叫びまくってるような本は、街宣車がムカつくのと同じように嫌ってます。

かなり前に流行った「買ってはいけない」は、嫌いやけど何を言うてるか見とこうと思って買いました。

正直言うてあの本は中身がムチャクチャでホンマに街宣車の主張のように感じて気分が悪かったですわ。


「買っては〜」の反動か以前に増してその手の食の安全性を扱った本は敬遠してました。

今回ネタにした「食品の裏側 みんな大好きな食品添加物」(安部司著 東洋経済新報社)もジャンル的には似た方向ではあると思います。

私がこの本を知ったのは日経新聞の06.3.1付け夕刊の記事がきっかけでした。

「ベストセラーの裏側」ってコーナーで単なる書評ではなく、なんでよう売れてるかを書いてます。

その記事を読んで惹かれたのは

・著者が元食品添加物の専門商社での実体験に基づいて書いている

・加工食品が添加物をどれだけ多量に使って作られるか、現場(裏側)から明かしている

・「危険な加工食品を一切食べるな」とは結論づけていない

てなことでした。

健康オタクだの、料理をしたこともないような学者だのが好き勝手ほざいてるんやなくて、売ってた側が書いてるってのがオモロイかもと思ったんです。

結論を押しつけんと判断を消費者に委ねる現実的なトコがあるってのがええかと。



そこでこの前の土曜日に天王寺に出たついでに大きめの本屋に寄って早速買うて来ました。



4492222669食品の裏側―みんな大好きな食品添加物
安部 司

東洋経済新報社 2005-10
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最近の流行り?で帯が2/3くらいありました。

「知れば怖くて食べられない!」ってのは他の本と同様で読者をビビらせて売ろうって感じがして気に入りませんでした。

並んでる他の本もパラパラみたらやっぱり肌に合わんので、帯は無視して買うて来ました。


寝る前に布団に入ってから読み始めたんですが、結局一気に読み上げてしまいました。

まず文章のタッチが良くて非常に読みやすかったですわ。

グダグダと検証のしようがない科学っぽいデータは並べたりもしてません。

化合物のカタカナを羅列したりも少なく、サクサクと進みました。
 *なんせ根っからの文系なのもので・・・。



著者はかつて「食品添加物の神様」とまだ呼ばれた凄腕のセールスマンやったそうですわ。

どうやって真面目な職人に魂を売らせて、「白い粉」「クスリ」を使わせたか。
製造現場の経営者からはホンマに感謝され、頼りにされてたか書いて行きはります。

値下げ要求に応じるために製造現場でどんな技が使われてるかもバンバン出てきます。

健康オタクなヒトには勧められんくらいキッツイ場面も出てきます。

私はホラー小説はよう読まんのですが、まるでそんな小説を読むかのようはスリリングさがありましたわ。

年代が書かれてないのでいくつのエピソードは20年以上前の話やとは思います。

その辺はもうちょっと時系列をはっきりさせて欲しかったですが、まあ今でも安モンを買えばほぼ当てはまるであろうことばかりです。

化学物質の1個1個の毒性なんかはほとんど出てけぇへんので、そういう個別の情報が欲しいヒトには向いてないと思います。

「合成着色料、合成保存料 無添加」と謳う商品、「一括表示」という制度の悪用、等による騙しのテクニックなんかもオモロかったです。

この本はメーカーだけを責めてません。

な〜んも考えんと値段だけで買う消費者、ひたすら見た目こだわる客、なんでもかんでも楽しようとする主婦(主夫)なんかにも注文つけてはりますわ。

かつての自分を否定してはるからややメーカーにキツイ書き方ですがかなりバランス良く書かれてました。

「たんぱく加水分解物」と呼ばれる旨みについての項はなかなか面白かったです。

「化学調味料」が目の敵にされて、今はこの「たんぱく〜」が多用されてるそうですが、著者はこいつを非常に問題視してました。

最後の方の「食品添加物と上手に付き合う5つのポイント」は、子供に説いてるようなシンプルさですがめっちゃ現実的で好感を持ちました。

ちょっと食の安全に興味ある人には目新しくもないかもしれませんが、関心はあっても知らんってヒトにはええ読みモンちゃうかと。


この本を読んでたら目が冴えてしまって3時頃まで寝れませんでした。

そこで布団をはい出して、台所の調味料をチェック。

ほんだしや中華スープの素ってなモンは、はなから添加物の塊やと思ってるんでそれはそれでヨシ。

基本の醤油、酢なんかを見てみました。

元々食材も調味料も安いモンしか使ってませんが最近はちょいとだけ金を使ってます。

大手のメーカーでも添加物のないヤツなんかにしてます。

チェックし直してもやっぱり醤油と酢はイランもんが入ってませんでした。

ただ、私がこの手のを買いだしたのは自分が料理に前よりエネルギーを注ぎだしたから。
丁寧に取った鶏ガラスープだの和風のダシでも、あんまりにも安い調味料やといらん混ぜもんのせいで変な味がしよるんですよね。

それで料理のレベルを上げるんやったら、せめて調味料も最低限のレベルには上げんとアカンと思うようになったんですわ。

健康、安全に目くじら立てんでも「旨いモン」って目線だけでもある程度変化は出るモンですね。

この記事を読んで気が向いた方はいっぺん本に目ぇを通して感想を聞かせて貰えると嬉しいです。

*アマゾンのアフィリエイトやってますが、図書館で借りてでも読んで貰えばええですよ。本を売りたいから書いとるんとちゃいますんで・・・。(^^;


著者に注文としては、添加物って十把一絡げにするんやなくて、”あれば”ですが、


 「コイツは使ってもええと思う」

 
 「この添加物は古来からのもんや」


 「合成化合物でもコイツはまず安全や」


みたいなモンも教えて欲しかったですわ。

”科学の進歩”に毒されてる世代としちゃ、中にはそんな気にせんでもええモンもあるんちゃう?って思うトコもありますし。


なんにせよ、この本は久々にオモロイと思えました。

posted by えて吉 at 14:07| 大阪 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 飲み食い本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こういう系統の本は今まで読んだことが
なかったのですが、同じ書評を読んで
ちょっと興味を持ってました。

今ブログの記事を読んですぐ
図書館の予約をしたところです。
(予約数65となっていたので、
読むのはちょっと先になりそうですが)

怖そうだけど、読むのが楽しみです。
Posted by ねこぱんち at 2006年03月06日 17:15
ねこぱんちさんへ

おんなじ書評を読んではりましたか。
私は別に読んでからと言って食生活を変えるつもりは
ないですが、なかなか面白かったですよ。

食品添加物で子供の味覚がおかしくなるなんて
話もありました。

ちょっと待たないとダメそうですが、読めたら
また感想を聞かせてください。
Posted by えて吉 at 2006年03月06日 18:08
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