長いこと欲しいなあと思いながらも、手に入れることが出来なかった盃をひょんなことから手に入れました。(今回は、長文です。ご勘弁を)


陶器の酒器ですが、ぐい飲みではなく、非常に飲み口の薄い盃です。
陶器の”ぐい飲み”は焼き物屋?や百貨店の器の売り場に行けば、好き嫌いを別にしてごく普通にあります。でも陶器の盃は、あんまり見た記憶がありません。
(ここでの言葉の使い分け)
このネタでは、陶器の分類上正しいかは別にして、次のように区別します。
「盃を薄手で口が平たく開いてる酒器」
「ぐい呑みは、口が平たく開いてない酒器」
という意味で使ってます。
盃は、三三九度とかで使うようなヤツをイメージしてもらえると助かります。
*ぐい呑みを集め出すまで
えて吉は、グラスはほとんど必要なモノしか持ってないんですが、ぐい飲みなどの焼き物の方は、趣味で集めてます。
集め始めたのは、浪人が終わって大学に入る前に一人旅をしたときの記念に買った備前のぐい呑みがきっかけです。
それまで日本酒を飲むのは、もっぱら磁器の盃でした。口に含んだときスッとお酒が流れ込むような薄手の飲み口のモノが好きでした。まあ家にあった中で好みに近いのを使ってただけで、さすがに高校時代に焼きモンは買いませんでした。
で、備前のそのぐい飲みは初めのうち飲み口がザラついてるわ、ゴツイわでかなり違和感がありました。でもイヤな浪人時代が終わった記念に買った思い出の品だったんで少し無理して使い続けました。
1,2ヶ月もすると慣れてきました。そしてそれから旅行に出るとついついぐい呑みを買うようになりました。
ほとんどが土産物屋に並ぶ安モンです。まあそれでも数があると楽しいんで、メインに使ういくつか中心にを色んな器で飲んでいます。
*欲しかった盃
で、ここで話を戻します。ぐい呑みには慣れて、集めるようになったんですが、やっぱり根本的な好みでは、飲み口の薄い方が好きなんです。で、好みにあった薄手の”盃”が欲しいなあとは思ってました。
ただ、ぐい呑みを集め出してから、あんまり磁器自体はおもしろいと思わなくなりました。陶器の方が1つ1つが微妙に異って温ったかみがあるからからかもしれません。
そんな時に出会ったのが、今回の盃です。
私が月に1回ほどのペースで惚れ込んで通ってる割烹”H”で見つけたんです。
最初のうちは、酒メーカーが飲食店にサービスで出すようなシンプルな盃だったんですがある時から大将が陶器の盃を出してくれるようになりました。
備前のモノもあり、自分のぐい呑みとのあまりの違いに、大将にその感想を話したことがあります。ぐい呑みを集めてるけど、やっぱり盃は好きだとか、なんとか。
また別の機会に、備前以外の陶器の盃が出ました。結構気に入って、ええ盃ですねというと、なんとそれは大将が自分で焼いたとのことでした。
*売ってくれとも言えず
薄手で呑みやすく、しかもかなり私の好みのデザイン。
それからも毎回行くたびに、ええなあ、欲しいなあと思ってました。
でも、「ください」とも言えず、「譲ってくれ」と言うにして「なんぼ」でって言うたらええのか悩みます。
ましてこの割烹”H”は、こちらが一方的に惚れて片思いしてるような店。
売ってくれと言うて、その値段が安すぎて相手を侮辱したらあかんし、今の私の小遣いではあんまり大きなことを言えんし。
最近は行くたびにこんなことを思ってました。
そしたら、前回行ったときに、話の拍子に「あるお客さんにお譲りするために、・・・」との言葉。
「えーっ、大将の作りはった器、譲ってもらえるんですか!?」
と叫ぶ始末でした。
大興奮でその時にお店にあった予備?の盃を見せてもらいました。
自分をなだめになだめて、1つを選んで、その日に実際にのん出たヤツが前から気に入ってたんでそれをもう1つ分けて貰いました。
上の右側のがその時飲んでたヤツです。
久々に手に入れた焼きモンで興奮しました。
うーん、ここで、えて吉かなり悩んでます。
いやー、その盃の値段を書くかどうかです。
大阪人は、「それなんぼ?」が親愛の情を表す挨拶やし・・・。
自分の食生活でもばんばん値段を出してネタにしてるし・・・。
でもなあ、ごっつい気に入ったヤツやから言いたないなあ・・・。
えーい、やっぱり書きます。
盃はどれでも1つ1800円でした。
でも使ってたヤツは、大将が300円まけてくれました。
*えて吉は値切ってませんよ。
焼きモンなんて実物見ないとええかどうか分からんし、まして
私の写真じゃあ判断しにくいと思いますが。
私としては、値段にかかわらずごっつう気に入ってます。
今まで買ってきた器と比べても、そんな値段では申し訳ないです。
これからしっかりその盃を愛用して、それに報いるつもりです。