2006年01月20日

天王寺の漆器店「舎林」で長井均氏の汁碗

年明けに買った塗り物の汁碗のネタです。

タイトルにあるとおりお店は天王寺にあります。お店を開けてもうすぐ丸2年になると思います。

お店が出来た当初から気にはなってたんですが天王寺ってなベタ場所に似合わないクールな店構え。

漆器に全く素人の私はなんどか店の前に立ち止まってショーウィンドーをのぞく程度でした。

たまたま知り合いとの会話で、このお店のことになりました。

その人曰く、店主の女性は気さくでホンマに塗り物の器を愛してはる人やから気軽に冷やかしたらええと。

そんな話から何ヶ月して初めて店のドアを開けたのが去年の秋頃。

人当たりのいい女性の店主さんが漆器の良さを色々とアドバイスしてくれました。

お店で扱ってるのは作り手の顔が浮かぶ作品のみで、基本は日常生活で使うモノ中心でした。

漆器のイメージに取り扱いが大変だとか、手入れが難しいとかあるけど、蒔絵のモノでもなければ、実際はかなりラフに扱えると知りました。

しかもお店で扱ってはるモノの特徴かもしれませんが、最初から光沢を出すように磨き込んでないものは、使うに従って光沢が出ると。

10年くらい日常的に使ったヤツと新品とを実際に並べてくれはりました。

すると新品はペタッとして光沢がないのに、10年目のヤツは艶があってピカピカ。

備前焼や萩焼は使い込むと変化するって意識はありましたが、漆器もそういうモンやと分かったのは意外でした。

ただ、ホンモンを扱ってはるから当然なのかもしれませんが汁碗一つがだいたい1万円ちょい。

そんなん5客か6客そろえようと思ったらエライ出費ですわ。

おいそれとは買えないってなことを言うと、「1客ずつ揃えはったらええんですよ」とのお言葉。

最初は一番よく使う汁碗を1個でもええから買うて使い込むのがええと勧めてくれました。

漆器の買い方もしらんし、てっきり数を揃えると思ってました。

その日はなんも買わんのにお茶まで出してもらってゆっくりと話を聞きました。

私はモノの価値がホンマに分かる方ではないですが、モノにまつわる想いや志には興味大。

店主の方が、”漆器への誤解を解きたい”、”気楽使える漆器の良さを知って欲しい”っていう想いが素直に伝わってきてぜひ「この店で」何かを買いたいと思いました。

商売的には素人っぽい方でしたが、漆器というモノへのこだわりの深さがひしひしと伝わったのも好印象。



お店に行った直後に嫁さんに相談。

うちらも日常使いの漆器を一つくらい持ってもええんちゃうかと。

嫁さんも主旨には賛同してくれたんで、冬のボーナスが出たらということで一旦は保留。
嫁さんの職場のボーナス支給が遅れたり、お店が年末に割と早くから休んではったりと結局去年は店に行くチャンスがありませんでした。

正月早々に天王寺に出た時もまだ店が閉まってたりで「買いたい」と思ってからも、嫁さんと一緒に店に行くチャンスが延び延びになってました。

先週の土曜日1/14にやっと嫁さんとお店へ。



また店主の方から塗り物の話を聞きながら、買うモノを吟味。

私は出来るだけ多用途に使えるモノにしようと思ってました。

器として「欲しい」より「使える」を優先して見てました。

汁碗でもやや口?が開き気味で、底が平らになってれば丼にも煮物の鉢にも使えるかなぁと。

場合によったら嫁さんと1つずつ買うけど、全くバラバラのタイプでもええかと思ってたんです。

一緒に見てた嫁さんが気に入ったのは、私の狙いからいうとやや小ぶりでいかにも汁碗。
ただ、それは私もデザインでは惹かれててええなぁと思ってました。




使いやすさかデザインのどちらを優先するか?




嫁さんは「あんたの好きにしたらええ」と言うてくれました。

とはいえ、養われてる身としちゃ、出資者の意向は無視出来ませんわねぇ。

自分もデザインでは惹かれてたんで、嫁さんの気に入った色違いのヤツ2客にしました。



それが、こいつらです。




天王寺の漆器店「舎林」で買った長井均作の汁碗輪島塗の長井均氏の作品です。

焼き物か彫り物みたいな柄(がら)が気に入りました。

同じでデザインで色違いもまるで仲のええ夫婦みたいでええかと。(^^;


長井氏は、元々が下地職人をやってはったそうです。

塗り物のお椀の場合、木を削って器の木地を作る職人、下地を塗る職人、最終の上塗りをする職人と別れるそうです。

下地職人は何層にも分けて色んな塗り方?をするから、最終の方へは手を広げやすいってなことを教えて貰いました。



長井均氏について検索したら、いくつかのサイトが引っかかりました興味のある方は下記リンク先へどうぞ。

*金沢屋:輪島塗夫婦椀

*うるしやLA:長井均 (ながい ひとし)

 



店主の人によると塗りモンは10年くらいで艶が出てピークを迎えると。

15年目くらいまでは徐々に弱るけど、15年目以降に弱り過ぎたら塗り直しをしたらええと。

なにかの事故で一部が欠けても修理も出来る。なんにせよずっと使い続けられるとのこと。

そういう修理が効くあたりも嬉しいことです。

今はペタッとしたあんま光沢のない色合いですが、これからしっかり使い込めばどんどん変化があるんでしょう。

うちの生活レベルではかなり背伸びをした買いモンですが、長年愛着を持って使い込んだら値打ちはあるやろうと思っています。

ちなみに、お値段は1客12600円。かなり勇気のいる値段でした。

思い切って買うたモンですが、買うた以上はしまい込まんとガンガン使おうと思ってます。

私が買ったお店は漆器専門店。

大阪だけでなく関西全体でも漆器オンリーのお店は少ないようです。

JRや地下鉄の天王寺からも阿倍野筋を真っ直ぐ下ればすぐですが、最寄り駅は地下鉄谷町線の「阿倍野」になります。

天王寺に行くチャンスのあるで興味あるかたは、いっぺんお店をのぞいてみたらどうでしょう?

冷やかしだけでもイヤがらんと相手してくれはるんで、お店には気楽に入れますよ。



<参考>
*漆ギャラリー「舎林」:ウェブサイト

住所:大阪市阿倍野区阿倍野筋2−4−41
電話:06−6624−2531
営業:11:00AM〜6:00PM
定休:日曜・祝祭日



posted by えて吉 at 21:04| 大阪 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | なんでもあり | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こりゃまた肌触りの良さそうな器ですねえ。
お値段も相当。思い切りましたね。
漆器ってどうしても手間がかかりそうな気がするけど、実際はそうでもないんですよね。陶器や磁器に比べたら、落としても割れないのは長所だし(笑)
食器は飾っててもしかたないんやから、ガンガン使うのには大賛成。いいものを手に入れられてうらやましいです。
Posted by ish at 2006年01月21日 12:31
ishさんへ

> こりゃまた肌触りの良さそうな器ですねえ。

いわゆるハレの器のような繊細さではなく、しっとりと
手や唇に馴染むタイプです。

蓋付きで蒔絵があるようなタイプは全く興味ないですが、
これは日常使い用なのがええですわ。

値段は思い切り非日常でしたけどね。

使って良くなる器なんでしっかり使おうと思います。

このお椀と同等かそれ以上に店のスタンスが気に入りました。
チャンスがあればお店をのぞいてみて欲しいですよ。
Posted by えて吉 at 2006年01月21日 13:03
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/11980196
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。