この本は、えて吉が酒関係の本を読み始めた頃、憧れてた本です。
前に取り上げた「BAR酔虎伝」の中で、取り上げられてて知りました。
本屋に行って見てみたら、一発で惚れてしまいました。でも、3600円という値段は当時、高校生のえて吉には衝動買いできる値段はありませんでした。
しばらく我慢して小遣いを貯めてやっと買ったんで当時からの宝物。
いまだにダイニングのいい場所に置いてます。
この本のええところですが、まずは載ってるカクテルの写真が綺麗なんです。グラスも美術品のようなモノがたくさんあります。美術品の写真集と言ってもええくらいです。
実用のカクテルブックというより、鑑賞のための本という感じです。
そして、私が「BAR酔虎伝」の中で読んで一番惹かれた箇所ですが、バーテンダー尾崎浩司氏の次の一文です。
「レモンやライムも必ず生のものを使うこと。もしも本物が手に入らなければ、それが必要なカクテルは作らないことにしましょう。ビン詰めの、毒々しい緑色したライム・ジュースなどは、全くひどい味の恥ずべき贋物です。」
本を買ってすぐに、この箇所を確認したほどです。
*フランシス・アルバートに凝っていた
この本には、数多くのオリジナルカクテルが紹介されています。有名人にちなんだカクテルなんかもあります。えて吉は、オリジナルカクテルの冒頭で紹介される「フランシス・アルバート」にいっとき熱中してました。
ちなみにこのカクテルのレシピは、
ワイルド・ターキー 1/2
タンカレー・ドライジン 1/2
これをステアしてグラスへ。
ジンとバーボンの銘柄まで指定される珍しい?カクテルです。
レシピだけを聞いてると、全然美味しそうには思えなかったんですが、文章を読んで興味を持ち作ってみたら、はまってしまったという訳です。
そうそう、この本は中の文章も読み物としてかなりいいですよ。何人かの人のエッセーが載ってます。
*東京に行くツレへの餞別
えて吉の高校時代のツレには、一緒に真剣にお酒を飲んでくれるのがほとんど居ませんでした。そんなツレの中で唯一酒に興味を持ってくれたM。
ちょこちょこと酒の話をするようになり、背伸びして発掘したバーを紹介したりしてました。
その当時のえて吉は、未成年バレバレの童顔。
お店には迷惑だったでしょうね。(^_^;)
高校卒業にあたって、えて吉は酒を追っかけてばっかりいたんで当然のように浪人。ツレのMもあんまり勉強してる様に見えなかったのに、希望校に合格。そして東京に行くことになりました。で、その餞別にこの本をプレゼントしました。
だから、今の本は正確には2冊目になるわけです。
この餞別にやった話には、後日談があります。
なんとMは、コレをネタに東京で女の子を口説きまくってたそうです。自分の部屋にあるこの本のことを話題にして、それを見せたるからこれから部屋に行こうと。
これで、けっこう上手く行ったそうです。
女に縁のなかったえて吉は、学生時代に1度帰省したMからそんな自慢とも感謝ともつかない話を聞かされて驚いた覚えがあります。

「バー・ラジオのカクテルブック」
著 者:尾崎浩司・榎木富士夫
出版社:柴田書店
価 格:3600円(当時の税込み)
サイズ:245×164mm、199ページ
ISBN :4-388-05541-7